「昇格試験で面接があると言われても何から準備していいかわからない…」
「面接ではどんなことが聞かれるの?就活の面接と何か違うの?」
「緊張してうまくしゃべれなかったらどうしよう…」
初めての昇格試験で面接を受ける人は、こんなお悩みを持っていませんか?
私は過去に5回の昇格面接を受けてその全てに合格してきました。
もちろん中には試験に落ちてしまう人も何人か見てきました。
私が彼らに感じるのは「準備不足」ということです。
私自身は昇格試験で面接を経験するたびに「これだけ準備しておけば大丈夫だな」と気づいた点があります。
そこで今回はこれから昇格試験の面接に挑む方に向けて「面接対策の基本」を解説していきます。
昇格は給料アップのチャンスなので、合格に向けてぜひ最後まで読んでみてください。
【昇格面接で落ちる人は準備不足?】試験前にやるべき3つの準備
面接試験で重要なのは「事前に必要な準備をしておくこと」ただそれだけです。
かくいう私も初めての昇格試験の面接では「何を準備したらいいかわからない」という状態で、準備不足のまま試験に臨みました。
もちろん結果はズタボロ…
面接直前になると不安と緊張に襲われて面接中は全身真っ赤、頭の中は真っ白でパニックになりました。。。
会社的にも初回は出来レースみたいなものなので受かりましたが、「もっと早く準備していれば…」と後悔したのを今でも覚えています。
そんな経験もあって面接試験の前には、次の3つは必ず準備するようにしています。
- 面接原稿を作成する
- 想定質問と回答を考える
- 本番を想定した面接練習をする(最低でも3回)
余談ですが面接の結果は上司に伝えられます。
口の軽い上司だと「あいつ面接の場だと〇〇だったみたいよ」なんて言いふらされることも…。
面接原稿を作成する
面接を受けると決まったら、まずは面接でどんなことを話すか原稿を作成します。
面接の案内と同時に「自己評価シート」を提出させたり、「面接の冒頭3分で簡単な自己紹介と業務課題を話してください」などと事前課題が与えられたりする企業もあります。
それらをもとに原稿はつくることになります。
何も与えられてないという人は、先輩から過去の面接がどんな内容だったかヒヤリングしましょう。
それでもわからないという人は、以下の構成で原稿を作成しておくのがいいと思います。
- 自己紹介
- 自分が抱えている業務課題
- 業務課題の背景
- 自分の役割
- 業務課題の解決方法
- 現在の状況
- 今後どうなりたいか
最初は箇条書きでいいのでざっくりと書いて、上司や先輩、管理職の方など多くの人に見てもらって意見をもらいましょう。
文章の良し悪しは自分では気づけないものです。
早めに他人から意見をもらって、何度も修正を繰り返して原稿を仕上げていきましょう。
例として面接原稿を作成したので参考にしてみてください。
【課題】面接の冒頭に3分程度で今の業務課題と解決方法をスピーチすること
- 自己紹介
私は2010年に入社して生産技術課に所属しています。
現在は工場の老朽化する設備の更新や新規設備の開発、品質向上に向けた設備の改良などを機械設計担当として行っています。
- 自分が抱えている業務課題とその背景
本日は私が取り組んでいる「ゴリ切断設備の老朽化更新プロジェクト」についてお話します。
ゴリ工場は建設から50年以上が経過しています。
設備のいたるところが老朽化しており、生産だけでなく品質への影響は深刻な問題となっています。
中でもゴリ切断設備は5年前からモーター異常や切断不良のトラブルが増加し続けていました。
この設備は一度トラブルが発生すると全ラインが停止して復旧には最低でも半日は要します。
そのため、早急に更新してトラブルを削減することが工場にとっても重要課題となっています。
私はゴリ切断設備更新に向けて配置や構造の検討だけでなく、予算や工程、工事方法の取り決めなどプロジェクト全体をまとめています。
- 問題点と解決方法(自分の役割)
このプロジェクトで重要なのは、既存のゴリ切断設備を搬出することです。
ゴリ切断設備は生産ラインのほぼ中央に位置しています。
前後の装置が邪魔になって簡単に搬出させることができません。
現地で分解する方法もありますが、工場の定修期間内では間に合いません。
私はこの問題に対して、製造、施工業者にかけあい、様々な工事方法を検証してきました。
まず、視覚的にイメージできるよう3DCADで紙図面を3Dにしました。
今まで誰も使用したことがなく、操作に慣れて、3Dにするまでに2週間以上の時間がかかりました。
また他の人が3Dを閲覧できるように、率先してパソコン環境を整えることもしてきました。
3Dにしたことで様々な角度から設備を確認でき、全員が共通認識で話し合うことができたと思います。
多くの意見や提案を聞き出すことができ、ゴリ切断設備は、天井から搬出させるという方法を導きだすことができました。
- 現在の状況
現在は2023年度3月の定修に向けて施工メーカーと工事方法の詳細を詰めています。
まだ細かな課題があり工事中も様々なトラブルが出てくると予想しています。
そういった状況でも、今回のように自ら率先して行動し、周りを巻き込んでプロジェクトを進めていきます。
- 将来どうなりたいか
将来は機械設計の専門性を高めるだけでなく、他の分野の専門知識も学び自身の成長に繋げます。
そして多角的な視点で物事を見れるゼネラリストになり、工場の発展に貢献できるよう取り組んでいきます。
3分のスピーチでは、だいたい900~1,000文字程度になります。(上の文章は973文字)
想定質問と回答を考える
面接原稿が作成できたら、面接官に聞かれそうな想定質問とその回答を考えます。
面接鉄板の質問はもちろんですが、面接原稿の内容や自己評価シートからも想定される質問を思いつく限り書き出しましょう。
以下に鉄板の質問集と先ほどの面接原稿から想定される質問を書き出しました。
- あなたの強みや弱みは?
- 今までの仕事で一番苦労したことは?
- 過去の失敗経験はどんなことがありますか?
- 昇格したら今の自分と何を変えていきますか?
- あなたにとってのお客様とは誰ですか?
- 過去の仕事で一番会社の利益に貢献した業務は?
- 尊敬している先輩や目標としている人はいますか?
- ‥など
- このプロジェクトはどれくらいに費用がかかりますか?
- どのような品質の問題がありますか?
- 他にも老朽化して更新しなければならない設備はありますか?
- トラブルの原因は分かっていますか?
- トラブルはどれくらいの頻度ですか?昨年は何件でしたか?
- 一度のトラブルでどれくらいの時間止まりますか?
- 今回更新に伴って見直した構造などありますか?
- 現地で分解するとどれくらいの期間がかかるのですか?
- なぜ3DCADを用いようと思ったのですか?
- 3DCADは今後も使えそうですか?
- 3DCADを使用するのにどれくらいの費用がかかりますか?
- 天井から搬出する以外にどのような案が出ましたか?
- 様々な案がある中で天井から搬出すると決めたのはなぜですか?
- 工事期間は全部で何日を考えていますか?
- 工事中のトラブルとはどのようなことを想定していますか?
- 細かな課題とはどんなことですか?
- 今後のスケジュールはどうなっていますか?
- 現在自身の成長のために取り組んでいることはありますか?
- 多角的な視点で物事を見る、具体的にはどのようなイメージですか?
- 等々…
面接原稿と一緒で、想定質問もその回答も必ず文字に書き起こしましょう。
頭で何となく「こう聞かれたらこう答えよう」と想像するだけではなく、きちんと文章で書きだして言語化しておくと整理できます。
この作業が一番大変だと思いますが、ここをどれだけ真剣に取り組むかで面接の結果が変わると言っても過言ではありません。
「どんな質問でも答えを言語化できている」
そこまでいけば面接本番でひねられた質問をされても柔軟に対応できるようになります。
本番を想定した面接練習をする(最低でも3回)
面接原稿、想定質問、その回答を考えたらあとはひたすら面接練習をするだけです。
面接はあくまでも会話です。
どんなに完ぺきな面接原稿を作成しても、想定質問や回答を完ぺきに言語化できていても、面接官に伝わらなければ意味がありません。
面接本番で緊張してパニックになる人のほとんどは、面接練習が不足しているだけです。
入室から退室までのマナーを含めて、本番を想定した面接練習を最低でも3回は実施してください。
これをやる人・やらない人では雲泥の差が出ますから。
面接官役は課長や部長といった実際に面接官をしたことがある人が理想ですが、最初は同僚や家族でも構いません。
何度も練習してブラッシュアップすれば、面接独特の雰囲気に慣れて面接官とも日常会話のように話ができるようになります。
面接練習はやればやるほど、ブラッシュアップされるので絶対にやりましょうね!
面接試験で緊張しないために
面接本番が近づくと、どんなに練習して準備していても緊張しますよね。
とくに焦りや不安は過度な緊張につながります。
試合前のいい緊張ってパフォーマンスレベルを上げるとよく言われますが、過度なその逆です。
それを防止するために面接試験本番までにやるべきことや知っておくべきことをお伝えします。
- 服装や持ち物の確認
- 面接会場と面接時間の確認
- 体調を整えておく
- 面接原稿(カンペ)を持ち込む
- 「自分は優秀だ」というマインドを持つ
- 面接官も緊張している
服装や持ち物の確認
面接の前日までに必ず服装や持ち物を確認しておきます。
工場勤務であればスーツではなく作業着OKの人もいると思いますが、シワや汚れがないものを事前に用意しておきましょう。
人は見た目が9割
服装はもちろんですが、髪型やヒゲにも注意して清潔な格好で臨みましょう。
私の同期はキレイな作業着がなく機械油でドロドロに汚れた服装で面接に臨んだら、後日「面接の場なのに汚すぎる」と指導されていました(笑)
持ち物は面接会場までのマップや筆記用具、面接原稿などですね。
必ず持っていくようにしましょう。
面接会場と面接時間の確認
面接会場までの交通手段や移動時間は、必ず確認しておきます。
最低でも面接30分前までに会場へ着くよう出発時間を決めておくのが理想ですね。
私はかなり不安症なので1時間前には現場近くへ着くようにしています。
時間ギリギリだと焦りと不安につながりますからね。
少しでも面接だけに集中できるように時間だけはゆとりを持って行動するようにしています。
また面接会場が勤務先で事前に会議室がわかっている場合は、部屋の広さやドアの位置などチェックしておくと入退室が戸惑うことなくできます。
私は入室のときが一番緊張すると思っているので、入室方法はかなり入念にチェックします。
体調を整えておく
面接当日は体調万全な状態で臨めるように過ごしましょう。
徹夜でスマホやゲームをしたりお酒を飲みすぎたりは控えてください。
睡眠不足や二日酔いは集中力が低下して本領を発揮できません。
こんなので今までの努力をムダにしたくないですよね。
面接中にお腹がすいたりトイレに行きたいとなったりしないように、食事管理も注意しましょうね。
面接原稿(カンペ)を持ち込む
「どうしても面接中に緊張してしまう」と不安な方は面接原稿(カンペ)を持ち込みましょう。
カンペというとマイナスのイメージがあるかもしれませんが、面接試験の案内に「メモの持ち込み可」とあればまず問題ありません。
私もいつも面接本番にはカンペを持ち込んでいますし、それで落とされたことはありません。
もちろんカンペを見なくてもスラスラ話せるほど練習はしています!
あくまでもメモなので読み上げるのはNG
「カンペを持ち込んででも伝える(アピールする)ことの方が大事」というのが私の考えです。
せっかく作った面接原稿がうまく伝わらないのはもったいないですからね。
「自分は優秀だ」というマインドを持つ
昇格試験は合格枠も決まっていれば、試験を受けられる人数枠も決まっています。
社内の管理職クラスで選考会議があって、そこで選ばれた優秀な人しか受けれないのです。
つまり試験を受けられてる時点で、あなたは優秀だと評価をもらっているということです。
まずは「自分は選んでもらえた!」と自信を持ちましょう。
もちろん学歴で、一定の年齢までは出来レースで昇格できるという会社もありますが。
面接官も緊張している
面接官の中には初めて面接官をする人もいます。
初めての面接官だけに限らず「変な質問はできない」「聞き逃さないようにしないと」と緊張している人は必ずいます。
面接官の立場も考えて「教えてあげる」というスタンスで面接に臨むようにしてみてください。
少しは気が楽になるはずです。
他人が緊張している姿を見ると、なんだか自分は冷静になることってありません??(それです笑)
面接原稿作成のポイント5つ
面接原稿はポイントを押さえて作成すると面接官に伝わる原稿になります。
ここでは5つのポイントを紹介します。
- フレームワーク(文章構成)を利用する
- 厳選された体験談を盛り込む
- 1つの文章で伝えるのは1つだけ(一文一義を意識する)
- 専門用語は使わない!中学生にもわかる文章にする
- 話しやすい言葉を選ぶ
フレームワーク(文章構成)を利用する
面接原稿を作成するときはフレームワーク(文章構成)を利用しましょう。
白紙の状態でいきなり原稿を書こうと思っても、なかなかペンは進みません。
むしろいきなり書いていっても構成がぐちゃぐちゃになって余計時間がかかってしまいます。
フレームワーク(文章構成)を使うと、カンタンにわかりやすい文章が作成できます。
- 自己紹介
- 自分が抱えている業務課題
- 業務課題の背景
- 自分の役割
- 業務課題の解決方法
- 現在の状況
- 今後どうなりたいか
先ほども記載しましたが、まずは上記のように話をする構成(順番)を考えて整理しましょう。
テーマによって構成は見直さなければなりませんが、まずは自分なりにフレームワーク(文章構成)を作ってみてください。
厳選された体験談を盛り込む
面接原稿には厳選された体験談を盛り込みましょう。
誰でも話せるような内容や薄っぺらいエピソードは退屈でしかありません。
体験談があるからこそ、惹きこまれるのです。
つまり、どんな体験談を盛り込むかは非常に重要。
面接原稿に盛り込む体験談は「あなた自身が主体となって一生懸命取り組んだこと」を厳選しましょう。
自分が一生懸命取り組んだことは、誰に何を聞かれても自信をもって答えられるはずです。
いくつか体験談を書き出して、選りすぐりのものを盛り込みましょう。
1つの文章で伝えるのは1つだけ(一文一義を意識する)
面接原稿作成で気を付けるのは「1つの文章で伝えるのは1つだけ(一文一義を意識する)」です。
面接官は原稿を見れるわけではありません。
あなたのスピーチで初めて内容を知ることになります。
つまり1つの文章の中に色んな内容が含まれていると理解できなくなります。
業務の効率化を進めていくためには、まずは各人がパソコンのスキルを向上させていく必要があり、中でもExcelは日常の業務で頻繁に使用するため、優先度を高めて教育していくべきだと思います。
私の部署では業務の効率化を進めています。
そのために、まずはみんなのパソコンのスキルを上げることが大切です。
中でもExcelは日常の業務で頻繁に使われます。
だからこそ優先度を高くして教育していく必要があります。
「ダメな文章」のように一文が長くて複数の内容が含まれていると、聞く人は理解するのが大変になりますよね。
「良い文章」では短い文章ばかりですが、面接官の立場になるとこれくらいシンプルの方が頭に入ります。
初めて聞く人の立場になって原稿を作ってみてください。
専門用語は使わない!中学生にもわかる文章にする
一文一義と理由は同じですが、専門用語は使わないというのも原稿作成の注意点の一つです。
面接官にはさまざまな部署の人がいるので、あなたの専門分野を知っているわけではありません。
専門用語は通じないということも頭に入れておきましょう。
専門用語を使わず誰でも理解できるように説明する能力も面接では問われています。
面接で相手に内容が伝わらないのは致命的なので、中学生でもわかる文章を意識して原稿を作成しましょう。
話しやすい言葉を選ぶ
面接原稿と言っても提出物ではないので、文章は話し言葉になっても構いません。
とくに面接になるとカッコつけた言葉やかしこった敬語を使おうとする人がいますが全く不要です。
あなた自身が普段使っている言葉で原稿を作成するようにしましょう。
使い慣れない言葉や難しい言葉で原稿を作っても、スラスラ話せないと思いますし、聞いてる側も苦痛でしかありません。
とは言ってもタメ語ではなくあくまでも敬語で話すべきです。
普段先輩と話すときくらいの言葉で作成するのがオススメです。
まとめ|面接は練習するほど緊張に慣れる!
この記事では、昇格面接を控えている人に向けて「面接対策の基本」を解説してきました。
面接はあくまでも試験の一つです。
よく昇格試験は出来レースだという人もいますが、何も対策していない人は普通に落とされます。
実際に仕事がものすごくできる先輩でも昇格試験では落とされていました。(本人は準備不足だったと言っていました)
試験と言えば準備するのはあたりまえのように感じると思いますが、実は直前まで行動しない(できない)人はたくさんいます。
昇格面接は数年に一度しかなく年収を上げるビックチャンスです。
準備を怠って合格を逃すのは本当にもったいない。
将来のキャリアにも関わるので仕事そっちのけで真剣に取り組んで必ず合格を勝ち取りましょう!