昇格試験の面接対策に向けて想定質問に対する回答を考えてる…でもうまく文章にできない…
定番の質問でさえもどうやって答えたらいいかわからない…
私は20歳で高専を卒業して大企業の工場で働いています。
これまでに昇格試験を5回受けてそのすべてに合格してきました。
昇格試験では毎度のごとく面接があります。
昇格試験を初めて受ける人は面接なんて就活のとき以来、何を準備していけばいいかもわかりませんよね。
そこで今回は面接官の質問に対する回答例と回答するときの注意すべき点をお伝えします。
昇格試験を初めて受ける方や面接初心者の方はぜひ参考にしてみてください。
昇格試験で面接官の質問に対する回答例
昇格試験の面接では、面接官から聞かれる質問の大まかなテーマが決まっています。
それがざっくり次の5つ。
- リーダーシップ
- 業績と貢献
- 問題解決
- 将来のビジョン
- 対人関係とコミュニケーション
このテーマの中で具体的なことを聞いてきます。
それぞれ具体的にされる質問とそれに対する回答例を紹介していきます。
【リーダーシップ】リーダーシップを発揮した具体的な経験を教えてください
リーダーシップを発揮したのは、昨年から担当している工場の生産ライン効率化のプロジェクトです。
このプロジェクトの目的は、●●機械の生産能力を10%向上させることでした。
10名のメンバーはそれぞれ異なる専門分野から集まっており、初期段階では各自の立場から多様な意見が出され、意見を統一するのが困難な状況でした。
そこで私は、まず全員の意見を丁寧に聞き取り、それらをホワイトボードに可視化しました。
意見を見える化することで、共通する考えや意見の相違点が明確になり、全員が問題点を共有することができました。
特に、議論が停滞していたネックとなる意見に焦点を当て、全員が納得する形で議論を進めました。
結果として、メンバー間での自由な意見交換が促進され、協力し合える環境が醸成されました。
最終的には当初の目標を上回る12%の生産能力向上を達成することができました。
この経験を通じて、メンバーの意見を引き出し、見える化することがプロジェクトを大きく前進させる鍵であることを実感しました。
また、情報を共有することで、チーム全体が一体感を持って目標に向かって取り組めることを再認識しました。
昇格していくほど多くの人を巻き込む仕事を与えられるようになります。
つまりリーダーシップなくして仕事は進められません。
面接官はあなたが昇格後もチームを引っ張っていけるかどうかを評価します。
- あなたが過去にどのようなリーダーシップを発揮したか
- チームをどう導き、目標を達成するためにどのような工夫をしたか
- 困難な状況でどのようにリーダーシップを発揮したか
- リーダーとしての自己評価と、改善すべき点への認識があるか
【業績と貢献】これまでのキャリアで最も誇りに思う成果は何ですか?
私が最も誇りに思う成果は、新製品の立ち上げに関わったプロジェクトです。
このプロジェクトは、非常にタイトなスケジュールの中で新ラインの設置と生産の立ち上げを求められる難易度の高いものでした。
私は設計から試運転、量産までの一連の工程を担当し、プロジェクト全体の成功に貢献しました。
とくに設備立ち上げ中は多くのトラブルが予想されました。
そこで事前に他部門と連携して想定される問題を洗い出し、対策シナリオを準備しました。
実際、立ち上げ期間中には大小さまざまなトラブルが発生しました。
すべてが想定通りとはいきませんでしたが、事前準備が功を奏し大半の問題は迅速に対応できました。
結果として予定よりも早く安定した量産体制を確立し、プロジェクトを成功に導くことに貢献しました。
この経験を通じて、技術的な成果だけでなくチームワークや問題解決能力が大きく評価されました。
またどんな困難な状況でも冷静に対応し、リーダーシップを発揮して目標を達成できたことに強い誇りを感じています。
昇格するには人柄や勤務態度なども大切ですが、実績や成果も求められます。
そしてその事績や成果が上がった要因を、きちんと自分で分析できているかどうかも大切です。
面接官は昇格後も高い成果を出し続けてくれるかどうか評価します。
- あなたが過去に達成した具体的な成果
- その成果が会社やチームに与えた影響や貢献度
- あなたがどのようにしてその成果を達成したのか
- 自分の業績に対する謙虚さと、今後の成長意欲があるか
【問題解決】過去に直面した大きな課題とその対処法を教えてください
私が直面した最大の課題は、工場全体の生産ラインを停止させた●●設備の故障トラブルです。
●●設備は納期に大きな影響を与える重要度の高い設備で、非常に緊急性の高い状況でした。
まず私は迅速な原因特定が必要だと思い、設備メーカーと協力してエンジニアチームを編成しました。
現場で原因究明を進めると同時に、他部門と連携して生産への影響を最小限に抑えるために対策を講じました。
代替の生産ライン確保や作業員への緊急対応の指示です。
これによりラインの停止時間を可能な限り短縮しました。
原因は〇〇だと特定されすぐに修理を依頼しましたが、一方で私は根本的な解決を検討しました。
同じような設備をすべて洗い出してトラブルが発生しないよう設計変更を実施。
その結果、生産ラインは予定より早く再稼働でき、再発防止策も迅速に計画することができました。
現在はすべての類似設備に再発防止策を講じています。
この経験を通じて、緊急時の対応能力や問題解決スキルが大きく鍛えられました。
またチームとしての協力体制が非常に重要であることを再確認し、今後の業務でも迅速かつ的確な対応を心がけています。
仕事をしているとトラブルや課題はつきもの。
あなたがこれまでにトラブルや課題をどう乗り越えてきたのか、そして今後もどう乗り越えていける人材なのか、面接官はそれを評価します。
どんな状況でも冷静に判断して解決していくことができると思わせたら完ぺきですね。
またトラブルなんかは自分の役割を理解できているかも重要ですね。
今回の場合は、修理するのは設備メーカーであり、候補者の役割は再発防止策を考えること。
- あなたが直面した具体的な問題とその重要度
- 問題解決に向けてどのようにアプローチし、解決に導いたか
- 問題解決においてどのようなスキルを発揮したか
- 再発防止のための対策や、学んだ教訓をどのように活かしたか
【将来のビジョン】昇進後はどのようにチームや会社に貢献したいと考えていますか?
私は昇進後、3つの点でチームや会社に貢献したいと考えています。
まず第一に生産性の向上です。
これまでの経験を活かして、現場のプロセスをさらに効率化するための改善活動を推進します。
具体的には、既存の生産ラインのボトルネックを分析し、新たな技術や自動化ツールを導入することで全体の生産効率を向上させます。
次に、チームのスキルアップです。
メンバー一人ひとりの強みを活かしながら必要なトレーニングや知識の共有を進めることで、チーム全体の技術力と対応力を向上させます。
また、若手メンバーの育成にも力を入れ、将来のリーダーを育てる環境を作ります。
最後に、部門間の連携強化に努めます。
生産技術部門だけでなく他部門とも密にコミュニケーションを取り、全社的な目標達成に向けた協力体制を築きます。
特に、品質管理や製品開発との連携を強化し、より高品質な製品を短期間で市場に投入できるようサポートします。
これらの取り組みを通じて、チームの生産性とモチベーションを向上させるとともに、会社全体の競争力を高めることに貢献したいと考えています。
会社では多くの課題を抱えており、改善が不要な会社なんてありません。
業務を行いながらどんな問題に視野を向けているか、またその解決方法を模索しているか。
会社の利益のために改善を考えて行動に移せる人こそが上に立つべきです。
いまの仕事に満足している、変化なんて必要ない、そんな人に昇格はありません。
業務効率化に向けて最新の技術やツールを常にチェックしておくことも重要ですね。
- あなたが昇進後に具体的に何を目指しているか
- 自分の役割や会社の将来に対するビジョンが明確か
- 長期的な目標とそれを達成するための計画があるか
- 候補者が会社全体の成長にどのように貢献しようとしているか
【対人関係とコミュニケーション】チームメンバーや他部門との関係をどう築いてきましたか?
私はチームメンバーや他部門との関係を築くために、オープンなコミュニケーションを重視してきました。
まず全員が意見やアイデアを自由に出せる環境を作ることが重要だと考え、チャットルームを開設しました。
従来から定期的なミーティングや会議は行っていましたが、発言する人が限られていました。
誰でも気軽に投稿できて、簡単にリアクションやコメントができる場を提供したいと考えました。
開設当初は投稿やリアクションが少なかったものの、継続して課題や問題点の情報共有を続けることで、次第にリアクションやコメントが増えていきました。
そして投稿する人も徐々に増え、チャットルームが活発なコミュニケーションの場へと成長しました。
現在では多くのメンバーが積極的に投稿し、全員がリアクションを返すようになりチーム全体の一体感が高まったと実感しています。
このようにして築いた信頼とコミュニケーションを基盤とした関係が、チームの成果やプロジェクトの成功に大きく寄与してきたと感じています。
仕事は組織で成り立っていますのでコミュニケーションは重要。
どんな風にコミュニケーションをとっているか、周りを巻き込んで仕事をしているか、気を付けていることはなにか。
例ではチャットルームを挙げましたが、コミュニケーションの手段は人それぞれでたくさんあります。
何か一つでいいので、具体的に実践していることを述べましょう。
- あなたがどのようにしてチーム内外で信頼関係を築いてきたか
- 意見の対立や問題が発生した場合の対処法
- 自分のコミュニケーションスタイルとその効果についての自己認識
- 他者との協力を通じて、どのようにプロジェクトを成功に導いたか
面接の質問対策で回答を考えるときのコツ
面接対策で想定質問を書き出して、その回答を考えるときのコツをお伝えします。
それは文章構成をうまく使うことです。
面接の回答にはSTAR法とPREP法がいいとされています。
私はそれらを考慮した上で以下のような構成で回答を考えています。
- まずは結論から!
- どのような問題(課題)があったか
- なぜ問題(課題)を解決しようと思ったか
- どのような目標を決意したか
- 具体的に取り組んだこと
(なぜ?どのような思いで取り組んだか) - 結果どうなったか
- この経験から学んだこと、将来活かしたいこと
当然、この構成ですべての質問に対応できるわけではありません。
ですが「何から考えていいかわからない」という人は、この順番で回答を作っていくと一から考えるよりも効率的になります。
ぜひ使ってみてください。
面接官に回答するときの注意する5つのポイント
どんなに面接対策で事前に完ぺきな回答を考えてきても伝え方を間違うと減点です。
ここでは面接本番で面接官に回答するときの注意すべき点を5つ紹介します。
- 笑顔で話す
- いつも使っている言葉で話す
- 相手の目を見て話す
- ゆっくり話す
- 嘘はつかない
面接での注意点は「こんなのあたりまえでしょ」と思うことばかりです。
でも面接の場になると緊張してできない人がたくさんいます。
それでは面接官とやり取りをするうえで注意すべきポイントを5つ紹介します。
笑顔で話す
面接ではとにかく笑顔で話すことが大切です。
無表情や緊張でひきつった顔は面接官を不安にさせるだけ。
面接は会話と同じですから、笑顔で話す人の方が当然評価も上がります。
「緊張して笑顔なんて作れない…」という人は練習不足なだけです。
面接練習を何度も行って面接の雰囲気に慣れれば笑顔で会話することができるはず。
いつも使っている言葉で話す
面接のときだけなぜか話し方を変えようとする人いますよね。
変にカッコいい言葉を使おうとしたり、敬語にこだわりすぎたり…
ただでさえ緊張するので自分で何を話しているかわからなくなります。
そうなると面接官に何も伝わりませんね。
もちろんタメ口はダメですが、いつも使っている言葉で話せば大丈夫です。
会社のちょっと年上の先輩と話をするくらいがベストですね。
相手の目を見て話す
面接となると緊張して下ばかり見たりキョロキョロしたりする人が続出…
相手の目を見て話すのが基本です。
普段の会話でも視線が合わないと印象悪いですよね。
とはいってもばっちり目を合わすのは緊張すると思うので、面接官の口元や鼻を見ながら話すのがオススメです。
面接官からすると目を見ているように見えるようです。
余裕があればがっつり目を見て話しましょうね。
ゆっくり話す
緊張すると思っている以上に早口になります。
面接では頭の中をフル回転させて話す内容を整理していますからね。
「聞かれた質問にはやく答えないと」「はやく伝えないと頭に思い浮かんでるものが飛んじゃう…」
そんな気持ちもよくわかります。
ただこれは完全に逆効果。
早口になるほど面接官は理解できなくなりますし、あなた自身も話す内容がより飛びやすくなります。
自分はいま何を伝えているのか、面接官は理解が追い付いているか、ゆっくり丁寧に話すよう意識しましょう。
嘘はつかない
やってもないことをやってると言ったりデタラメな成果を伝えたり、嘘をつくのはやめましょう。
嘘をついても決していいことはありません。
自己PRの場なのである程度誇張した言い方はいいですけどね。
面接官も修羅場を潜り抜けてきた人たちばかりなのでカンタンに見破ります。
面接の場で「それは嘘でしょ」なんて指摘されたら、もう頭が真っ白になること間違いなしでしょうね。
嘘なんてつかなくても昇格試験を受けられるだけで高評価をもらっている人材です。
自分がやってきたこと、今現在も取り組んでいることに自信をもって答えましょう。
まとめ|面接成功のカギはやっぱり面接練習あるのみ!
昇格試験の面接に向けて面接官の質問に対する回答例と回答するときの注意すべき点をお伝えしました。
もちろんそれらを知ることは重要なことです。
ですが、やはり実践の場で使えなければ意味がありません。
面接は想像以上に緊張しますからね。
就活の時に味わっているのでわかると思いますが。
だからこそ練習あるのみです。
質問を想定して回答を考えたならうまく伝えられるようになるまで練習する。
ここで挙げた面接で回答するときの注意点をすべて守れるように何度も練習する。
面接は練習すればするほど見違えてよくなります。
面接練習は何時間もかかることではないので、何度も練習して自信をつけて試験に挑みましょう。