生産技術に配属って言われたけど、何する部署なの?
生産技術は負け組って聞いたけど実際どうなの?
生産技術の仕事内容を詳しく知りたい!
この記事ではこのようなお悩みにお答えします。
私は高専を卒業して大企業の工場に10年以上勤めています。
生産技術歴は8年以上で2年ほど保全を経験しています。
結論から言うと、生産技術は負け組なんかではありません!
むしろ勝ち組の職業だと思っています。(ただし、大企業の場合です)
この記事では、現役生産技術者の私が、生産技術の仕事内容や負け組と言われる理由を詳しく解説します。
負け組とは言わせない理由も3つ解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
生産技術が負け組と言われる5つの理由
生産技術が負け組と言われる理由を5つ紹介します。
- 地方勤務が多い
- 広く浅いスキルしか身に付かない
- 工場勤務で3K(きつい・汚い・危険)職場
- 仕事の成果がでるまで時間がかかる
- 休日出勤や夜間呼び出しがある
地方勤務が多い
工場は、土地の価格が高い都会よりも、山奥や海沿いなど地方に建設されることが多いです。
そのため勤務地はだいたい田舎になります。
私の会社も全国に工場がありますが、駅から離れた山奥や海沿いがほとんどです。
入社して、初めて駅から工場までタクシーで案内されたときは、次第に田舎へ変わっていく風景に絶望しました…(笑)
駅まで遠い、バスが1時間に1本、近くに商業施設がない、車は必須など、不便なことだらけです。
都会のオフィス勤務に憧れている人にとっては苦痛でしょうね。
広く浅いスキルしか身に付かない
生産技術は、機械や電気、土建だけでなく工事安全や法律の知識なども幅広く知っていなければなりません。
ですが、生産技術の最終的な仕事は専門業者に依頼するところまでです。(特に大企業では)
生産技術の機械担当で例えると、「こういうのが作りたい」といった構想は考えても、実際にCADで図面を描いたり、強度計算したりは、外部業者に依頼します。
機械の修理も同じで、自分で作業はせず、外部の修理業者にお願いして工事管理するくらいです。
そのため機械設計や機械保全といっても、ゴリゴリ計算して図面を描いたりバチバチ溶接したりするわけではありません。
「生産技術で機械設計をやっていた」といっても、ガチの機械設計者にとっては、お遊び程度のスキルにすぎないのです。
工場勤務で3K(きつい・汚い・危険)職場
工場勤務は3K(きつい・汚い・危険)職場というイメージを持つ人は多いでしょう。
実際、生産技術もデスクワークが基本ですが、現場で設備の中にもぐって汚れることもあります。
工場内は空調もないので、現場に行くだけで汗だくになり、給油で臭い、機械音がうるさいなどもあります。
私も現場で設備内にもぐった日は、家に帰ると妻に「くさっ!」と言われます。
また工場では、熱中症で倒れたり回転体に巻き込まれたり、軽い負傷から死亡事故まで労働災害のリスクもあります。
体力に自信がない人や清潔で安全な職場で働きたい人には、生産技術は合わないかもしれません。
成果がでるまで長すぎる
新しい製品ラインの立上げや既存ライン改善を立案から実施して、効果を確認するまでは、数ヶ月から数年といった長い期間が必要とされます。
また、プロジェクトの途中で問題や課題に直面することもあり、予定通りに進まないことも少なくありません。
短期間で成果を求める人にとっては、生産技術者の仕事が遅いと誤解されることも少なくありません。
このように、すぐに成果が出ないことが、生産技術職に魅力を感じにくい要因となっています。
休日出勤や夜間呼び出しがある
生産技術が負け組と言われる理由5つ目は、休日出勤や夜間呼び出しがあることです。
工場によっては、平日ずっと稼働させたり休祝日関係なく24時間稼働させたり生産時間はさまざまです。
設備の改造や部品交換などは、生産が停止していなければできないので休日出勤して対応しなければなりません。
また24時間生産の工場では、夜中にトラブルこともあるので夜間呼び出しもあります。
保全の頃は、夜中の呼び出しが毎月のようにあったので、ベッドの横には社用携帯を置いて寝たり、プライベートの予定もキャンセルしたりして対応していました。
プライベートの時間を大切にしたい人には、休日出勤や夜間呼び出しがある生産技術はイヤでしょうね。
生産技術は負け組ではない3つの理由
生産技術は負け組ではない3つの理由を紹介します。
- 大企業であれば高年収で出世しやすい
- 接待を受けられる
- 億単位のお金を動かせる
大企業であれば高年収で出世しやすい
生産技術職は、少数精鋭で構成されている場合が多く、個々の成果が目立ちやすい環境です。
ライバルも少なく評価してもらいやすいので出世もしやすいです。
大企業で出世すると、年収は大幅にアップして20代で年収600万円以上も可能です!
課長や部長といった管理職になれば年収1,000万円プレイヤーにもなれます。
決して負け組なんかではありませんね
接待を受けられる
生産技術は設計会社や工事業者に工事をお願いする立場です。
そのため立場は完全にお客様になります。
金額の大きな工事を発注したり定期的に工事を依頼してお得意様状態になると、接待を受けられることもあります。
タダでゴルフに連れて行ってもらったり、高くておいしいお店に連れて行ってもらったり最高すぎます。
贅沢な接待を受けられるのは生産技術の特権ですね!
億単位のお金を動かせる
生産技術は新しい生産ラインや既存ラインの大規模な改造など、億単位の投資プロジェクトに携わることができます。
億単位のお金を動かすって普通に考えたらすごいことですよね。
大手企業になると若手の頃から大規模なプロジェクトに携われるので、さまざまな経験を積むことができます。
最新技術を取り入れたり設計を外注化したり、ある程度自分の裁量でお金を使えると仕事も楽しくなります。
もちろん責任は伴いますけどね
生産技術は転職もしやすい
私の部署も同様、生産技術はつねに人手不足で困っています。(どの職種もそうかもしれませんが…)
とくに今は管理職になりたくない人が多いので、管理職候補で大卒以上を引っ張ってくる傾向が強いように感じます。
ここ2~3年で3人の生産技術者がキャリア入社で入ってきました。
大企業で管理職になれば軽く年収は1,000万円を越えるので、20代~30代で転職を考えている人はチャンスですね。
まとめ|生産技術は負け組どころか勝ち組である!
生産技術は負け組ではありません。
ただし大企業に限ります。
中小企業では全体的に人も少ないので、生産技術者の守備範囲は大企業以上でしょう。
また大企業の中でも忙しい生産技術もあれば暇なところもあるでしょう。
つまり当たり外れがあるということです。
ただし人手不足なのは変わりません。
もし配属された生産技術が負け組だと不満を感じているなら、他の企業の生産技術もチェックしましょう。